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キャッチコピーの事例

アサヒ生ビール(通称マルエフ)のキャッチコピーを考察

キャッチコピーCase No.4 話題CMのダジャレ系

キャッチコピーの事例を取り上げる第4回は、新垣結衣さん出演のCMで話題になった「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」のキャッチフレーズです。CM出演者はこの記事執筆時点では芳根京子さんと松下洸平さんに変わっていますが、キャッチフレーズは同じです。

日本のみなさん、おつかれ生です。

キャッチコピーの型としては、ダジャレ系です。「おつかれさま」の「さま」と「なま」の発音の類似を利用して、生ビールの「生」が強調されています。

キャッチコピーにはダジャレ系のジャンルがあるようで、このように、すでにある言葉の文字をすり変えてキャッチコピーを作るパターンをよく見かけます。キャッチコピーの作り方の手法の一つですね。

設定されたブランドパーパスは「心にあたたかな灯をともし、ぬくもりある日本をよみがえらせる」で、「Heart Warming Beer」というコンセプトで作ったそうです。コピーライターは、郡司音さん。

たしかに、80年代の名曲である竹内まりやさんの『元気を出して』をBGMに、俳優さんが「おつかれさまです」と語りかけるCMは(実際には「おつかれ生です」と語りかけていますが)ホッとする感が演出されていると感じます。

放送再開後のCM好感度調査では好評だったようですので、多くの人が新垣結衣さんの「おつかれ生です」を好感をもって受けとめたのでしょう。芳根京子さんと松下洸平さんに変わってからも、同様の世界観が演出されています。

選曲も良いですね。アサヒ生ビール(通称マルエフ)は復活ということですので、その誕生1986年と同時代の名曲『元気を出して』はぴったりだと思います。

ダジャレ系はイメージダウンのリスクもあるかもしれませんが、「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」の場合は成功したようです。キャッチコピーを作る際には、ダジャレ系の作り方がうまく機能しそうかどうかを考えてみるのも良さそうです。

初出:2023年03月19日