SHiRUKOYA

お知らせ・ブログ はじめに

キャッチコピーの事例

1977年「全日空さわやかキャンペーン」のキャッチコピーを考察

キャッチコピーCase No.5 人間味のあるダジャレ系

キャッチコピーの事例を取り上げる第5回は、1977年の「全日空さわやかキャンペーン」のキャッチコピーです。

でっかいどお。北海道

コピーライターは眞木準さん。前回ダジャレ系のキャッチコピーを取り上げましたので、今回はダジャレ系・ことば遊び系のコピーライターとして著名な眞木準さんの名作コピーについて考えてみたいと思います。

その前に、考察を書き終えた後の追加文をここに挿入します。

以下の考察を書き終えてから、名作コピーと多くの人が認識しているかを調べようと思い、Googleにて「でっかいどお。北海道 名作」で検索したところ、宣伝会議デジタルマガジンの『ブレーン』に掲載の片桐義晴さん(コピーライター)の記事が目に飛び込んできました。その見出しは、『「どう」じゃなくて、「どお」だった。』で、こう書いてあります。『通常のダジャレ(いやオシャレ)の形式では北海道は「ほっかいどう」なので…』(上記サイト『ブレーン』より引用)。以下の私の文章を読んでもらえればわかりますが、着眼点が同じです。しかし現時点では「有料会員限定」記事なので、その先の文章が読めません。同じような内容なのか違うのか……。

もし同じような内容なら、先にそういう考察記事があることを示す形に書き直したいけれど、核心部分が読めないので同じか違うかわからない……。どうしたものかと思って、このような追加文を挿入することにしました。やはり、このキャッチコピーで着目すべき点といえば、なぜ「どう」ではなく「どお」なのか、ですね。

さて、考察はこんな感じで書きました。

ダジャレといっても、「でっかいどお」であって、「でっかいどう」じゃないところが、やっぱりよく練られていると思います。

「どお」か「どう」かの違いですが、北海道(ほっかいどう)ですから単なるダジャレなら「でっかいどう」のほうが音や文字としては似ているわけです。でも「でっかいどう」じゃなくて、「でっかいどお」にしている。この違いを考えてみると、「どお」の場合は、なんか人間味が感じられるんですよね。人が北海道の広大さに感嘆しているようなイメージ。楽しそうな感じをたった一言で表現している。それがすごいと思います。もし、「どう」だったら、広大という事実は強調されますが、人間味や楽しさは感じられません。

「どお」か「どう」かのたった一文字の違いが読み手の印象を大きく変え、名作コピーとなるか、単なるダジャレコピーとなるかを分けるのかもしれません。

このコンテンツはキャッチコピーの事例を集めて、自分なりにキャッチコピーの型や作り方を探るのが目的ですが、今回のまとめとしては、キャッチコピーを作る際に人間味を出すことが可能かどうかを検討してみる、といった感じでしょうか。

初出:2023年04月09日