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キャッチコピーの事例

三井不動産「三井のすずちゃん」のキャッチコピーを考察

キャッチコピーCase No.9 オノマトペ

キャッチコピーの事例を取り上げる第9回は、三井不動産「三井のすずちゃん」のキャッチコピーです。イメージキャラクターは、俳優の広瀬すずさん。

三井でふふふ♪

まず、「ふふふ」という表現が用いられた理由ですが、「ふふふ……三つのふ……みついふ……三井不動産」ということだそうです。「連続広告小説」という新聞広告があるようで、その第一話に書いてあります。(インターネットで見ました。)

また、三井不動産のニュースリリースには、『「三井でふふふ♪」というキャッチコピーには、「三井不動産が手掛ける街や施設に来られた皆さまが、思わず”ふふふ”と笑顔になるような、豊かさと潤いにあふれる街づくりをしていきたい」という想いが込められています。』と書かれています。

本来、「ふふふ」という笑顔のオノマトペはよく見かけますので、どの企業にも使える表現です。にもかかわらず、三井の文字と並べられると、「ふふふ」が三井の笑顔にぴったり合っていると思えてくるんですよね。これは、「三井」の「三」の文字と、「ふふふ」という三回のくり返し、という共通点によって調和が感じられるからではないでしょうか。もし企業名が四井で、「四井でふふふ♪」だったら、なんとなく馴染まない印象なので、そう考えました。

このような社名と合うオノマトペを用いて、「笑顔」という言葉をストレートに使わずに、「笑顔になるような……街づくり」というメッセージを表現したところが、このキャッチコピーの良さだと思います。

コピーライターは、岩田純平さん。

当コンテンツはキャッチコピーの事例を集めて、自分なりにキャッチコピーの作り方や型を考えていくのが目的ですが、今回は、オノマトペを用いるというキャッチコピーの作り方があるのではないか、その際に社名や商品名などとうまく関連させることができたら効果的なのではないか、というのがまとめです。

初出:2023年06月09日