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キャッチコピーの事例

シャープのキャッチコピー(スローガン/1990〜2009年)を考察

キャッチコピーCase No.17 創業者精神

キャッチコピーの事例を取り上げる第17回は、シャープが1990〜2009年まで使用していたキャッチコピー(スローガン)です。

目の付けどころがシャープでしょ。

コピーライターは、仲畑貴志さん。

前回、事業に関連するキーワードを用いてキャッチコピーを作る、という作り方の事例を取り上げました。そのとき、企業名や商品名をそのまま取り込んでいるキャッチコピーもあることに気づきました。

企業名や商品名をそのまま使ってキャッチコピーを作るのは難しそうですが、うまくいくと大きなインパクトを残せそうです。シャープといえば、私はいまだにこのキャッチコピーを思い浮かべてしまいます。今回調べてみたら、2010年1月には別のスローガンに変更されているので、もう10年以上使われていません。そんな時間を感じさせないほど、記憶に定着しているキャッチコピーです。

このキャッチコピーの意味ですが、「シャープ」という言葉には、「頭のはたらきや動作が鋭いさま。素早く判断できるさま。鋭敏。」(Mac付属の辞書より)の意味がありますので、直接的には「目の付けどころが鋭いでしょ。」ということになるでしょうか。

「目の付けどころが鋭い」とは、まさにシャープの創業者であり、発明家でもあった早川徳次さんのことではないでしょうか。シャープのWebサイトにある「早川徳次物語」を読んだのですが、事業家として発明家として先見の明とすぐれた判断力をもっていたことが伝わってきました。その創業者精神を受け継いでいる企業には、「目の付けどころが鋭い」というスローガンはぴたりと当てはまります。その的確なスローガンを、企業名「シャープ」という言葉を用いて作ったのだから、これはすごいです。もちろん、制作者の意図はわかりませんが、このようなことを考えました。

さて、当コンテンツの目的はキャッチコピーの事例を集めて、キャッチコピーの型や作り方を自分なりに考えることですが、今回のまとめは、企業名や商品名を取り込んで作る、です。今後もそのような事例を集めたいと思います。

初出:2023年08月16日