積水ハウスのキャッチコピーを考察
キャッチコピーの事例を取り上げる第18回は、積水ハウスのキャッチコピーです。
家に帰れば、積水ハウス。
コピーライターは、一倉宏さん。
前回に続いて、企業名や商品名を取り込んでキャッチコピーを作る、という作り方の事例です。長く使われており、お馴染みのキャッチコピーですね。
「家に帰れば、」という言葉からは、家に何か価値のあるものが待っているようなイメージが想起されます。そこに、「積水ハウス」と続くことによって、その住み心地の良さのようなもの、住む人の満足感のようなものを訴求していると思います。
ただ、これは名称を変えれば積水ハウスに限らず、あらゆる住宅メーカーにあてはまるキャッチコピーです。積水ハウスのサービスの特徴から生まれてきたフレーズという感じではありません。
どこから「家に帰れば」というアイデアが出てきたのかと思い、Google検索してみました。コピーライターの一倉宏さんがそれについて語っている記事は見つけられませんでしたが、検索しているうちに、『家に帰れば』(原題『When I Get Home』)というビートルズの曲があることに気づきました。これは1964年に発売された曲のようです。他に、奥田民生さんの『家に帰れば』という曲もありました。
一倉宏さんの世代ならビートルズの曲を聴いているような気がしますので、もしかしてこの曲名がアイデアの素になっているのかも?と想像しましたが、実際のところどうなのか知る由もありません。
アイデアの素はわかりませんが、曲名になっていることを考えてみても、「家に帰れば」というフレーズには人の心をとらえる何かがあるのでしょう。
今回は、企業名や商品名を取り込んでキャッチコピーを作る、という作り方の事例でした。
初出:2023年08月30日