「金麦」のキャッチコピーを考察
キャッチコピーの事例を取り上げる第19回は、サントリービールの「金麦」のキャッチコピー(2022年〜)です。
帰れば、金麦
前回、前々回に続いて、企業名や商品名を取り込んでキャッチコピーを作る、という作り方の事例です。
先月(2023年8月)に数回、金麦のCMを見ました。メインコピーは、「帰れば、金麦」。調べてみると、金麦は昨年(2022年)にリニューアルしたようです。ブランドメッセンジャーは、俳優の柳楽優弥さん、黒木華さん。サントリービールの2022年1月6日のニュースリリースによると、「日常的に家で飲むのに一番ふさわしい新ジャンル」を目指すとのこと。
この目指すところ(「家で飲むのに」)から、「帰れば」というフレーズが出てきたのではないかと推察します。今回と前回から、「家」「帰れば」という言葉は連想しやすい組み合わせなのだろう、と思わせられました。
前回(「家に帰れば、積水ハウス」)の記事に、「家に帰れば」というフレーズは曲名にも使われていることから、人の心をとらえる何かがあるのではないかと書きました。
「帰れば」というフレーズは、人に刺さるフレーズなのでしょうか。人も生物ですから帰巣本能のようなものがあって、それが無意識的に刺激されるのかもしれません。
仮にですが、「帰れば」が人の心を惹きつける人気フレーズだとします。そうすると、今回と前回から、「人気フレーズ+商品名(企業名)」というキャッチコピーの型(パターン)があるといえるかもしれません。
キャッチコピーや企業のミッション・ビジョンなどを見ていると、人気フレーズというものがあるように感じます。これまで、「帰れば」がそういうフレーズだと思っていませんでしたが、大企業2社で使われていることを考えると、人の心に刺さるフレーズなのかもしれません。
当コンテンツの目的はキャッチコピーの事例を集めて、キャッチコピーの型や作り方を自分なりに考えることですが、今回のまとめは、「人気フレーズ+商品名(企業名)」というキャッチコピーの型(パターン)があるかもしれない、です。今後、そのようなキャッチコピーの事例があれば集めていきたいと思います。
なお、コピーライターは検索しましたが見つけられませんでした。