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キャッチコピーの事例

「金鳥の渦巻」のキャッチコピーを考察

キャッチコピーCase No.21 50年以上使われている

キャッチコピーの事例を取り上げる第21回は、「金鳥の渦巻」のキャッチコピーです。50年以上使われているキャッチコピーで、その歴史を感じます。CMの出演者は初代が美空ひばりさん、2023年が俳優の飯豊まりえさん。

金鳥の夏、日本の夏

ここ数回に続いて、商品名(または企業名)がキャッチコピーに含まれるパターンの事例です。また、第1回に取り上げたような、前後の文に同じ文字(今回の場合だと「〜の夏」)を用いるパターンのキャッチコピーの事例でもあります。

蚊取り線香が活躍するのは夏ですから、その象徴的ワードを切り取って商品名(の一部)と組み合わせたのではないかと思います。ここから、「商品名+その象徴的ワード」という組み合わせで作るという、キャッチコピーの作り方が考えられそうです。

さらに「〜の夏」という同じフレーズを繰り返すことで、夏が強調されつつリズムが作られ、異なる部分である「金鳥」と「日本」が浮かび上がってきます。日本やジャパンという言葉は国の代表のようなイメージを付与しますので、金鳥が日本の夏の代表、すなわち日本の夏の風物詩のようにも思えてきます。そんなイメージが浮かび上がるところが、このキャッチコピーの良さではないでしょうか。

当コンテンツの目的はキャッチコピーの事例を集めて、キャッチコピーの型や作り方を自分なりに考えることですが、今回のまとめは、「商品名+その象徴的ワード」という組み合わせでキャッチコピーを作るという、作り方が考えられるのではないか、また、前後の文に同じ文字を繰り返すという作り方はキャッチコピーの典型のひとつではないか、です。

コピーライターは、小野京子さんのようです。(参考:WEBサイト『われら六稜人【第40回】「思えばコピーライターの走り」』。同サイトの文章を書いているのは小野京子さんで、「金鳥の夏、日本の夏」作成時の裏話も披露されています。また、他の方がこのキャッチコピーの作成者を名乗っていること、しかし作成者は小野京子さん自身であることも記されています。もし、他にも作成者を名乗っている方がいるならば、私には作成者を断定できる情報がありませんので、その名乗っている方が作成者の可能性もあります。ネットで検索してみたところ、記事執筆時点では作成者を名乗っている方の主張を見つけられなかったことや、同サイトの文章がキャッチコピー作成時の裏話などもあって信頼できるものと感じられたことから、ここでは小野京子さんの名前を挙げております。このような理由のため、断定ではなく、推定のかたちで記載しました。)

初出:2023年10月05日