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書籍紹介|睡眠

スタンフォード式最高の睡眠(西野精治・著)

著者の西野精治氏は、スタンフォード大学医学部精神科教授であり、睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)所長。プロローグによると、1987年に渡米して、スタンフォード睡眠研究所に所属し、2005年にはSCNラボ所長に就任したそうだ。

「スタンフォード睡眠研究所」の設立については、次のように書かれている。

レム睡眠発見者の一人であり、私の師でもあるウィリアム・C・デメント教授などの優秀な人材が集められ、1963年に世界初の本格的な睡眠研究機関「スタンフォード睡眠研究所」が設立された。クリニックも併設された画期的なものだった。(スタンフォード式最高の睡眠/サンマーク出版/2017年/3ページ)

また、「1989年、初めて睡眠医学の教科書を作ったのもスタンフォード」で、著者も執筆者の一人とのことだ。

「世界の睡眠研究は、スタンフォードから始まった」と述べても過言ではないと著者は言う。「身びいきを差し引いて、いまだに睡眠研究の総本山がスタンフォードというのは事実だ」とも述べている。

本書では、「睡眠研究の総本山」スタンフォードで睡眠研究に従事してきた著者が、その研究過程で得た知見をもとに、『最高の睡眠』を得るためのメソッドを伝えている。

では、『最高の睡眠』とはいったいどのようなものだろうか。本書では次のように述べられている。

眠っている間に、私たちの脳や体では、さまざまな営みがおこなわれている。朝、起きたときにベストな状態になるよう、睡眠中の脳と体の中では、自律神経や脳内化学物質、そしてホルモンが休みなく働いているのだ。
眠っている間の脳と体の働きをベストなものにして「睡眠の質」を徹底的に高め、最強の覚醒をつくり出す。
これこそが、本書でいう「最高の睡眠」である。(スタンフォード式最高の睡眠/サンマーク出版/2017年/8~9ページ)

そして、「最高の睡眠」が、最高のパフォーマンスを生むのだと著者は言う。

睡眠と覚醒はセットになっている。朝起きてから眠るまでの行動習慣が最高の睡眠をつくり出し、最高の睡眠が最高のパフォーマンスをつくり出すのだ。(スタンフォード式最高の睡眠/サンマーク出版/2017年/170ページ)

覚醒時に最高のパフォーマンスを生み出すためには睡眠が大事で、日米の経営者たちを見ても、「成果を出している人は、眠りについて意識が高い」と言う。「睡眠メンテナンス」を始めているそうだ。

「スタンフォード式最高の睡眠法」が登場するのは、第3章。そのキーワードは3つだと著者は述べており、その3つとは、「体温」「脳」「スイッチ」

本書は、メソッドだけでなく睡眠の基礎知識なども伝えているが、難しい話はなく、大切な箇所は太字で強調されるなど、読みやすい本に仕上げられている。

初出:2019年12月08日