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キャッチコピーの事例

NTTドコモのキャッチコピー(ブランドスローガン/2021年7月19日〜)を考察

キャッチコピーCase No.14 イノベーションと共創

キャッチコピーの事例を取り上げる第14回は、NTTドコモのキャッチコピー(ブランドスローガン/2021年7月19日〜)です。

あなたと世界を変えていく。

前回の終わりに、ユーザーを仲間とみなすような形式のキャッチコピーは人気があるのではないか、と書いて、すぐに浮かんだのがドコモのブランドスローガン。でも調べてみると、もっと幅が広い感じでした。このブランドスローガンは、イノベーションと共創を打ち出しています。

ちなみに前回は、「あなたと、コンビに」(ファミリーマートのコーポレートメッセージ)を取り上げました。どちらも、「あなたと」で始まることや、一般消費者向けのビジネスをしていることから、「ユーザーを仲間とみなす」という共通点があるのではないかと思ったのです。

しかし、今回のドコモのブランドスローガンの場合、「あなた」というのは、ユーザーのみならず、パートナーや投資家、社員といった「あらゆる人」を含めていますので、もっと幅が広いです。「あなた」については、記事執筆時点で「docomo Brand Site」にブランドアンバサダーの綾瀬はるかさんとNTTドコモ代表取締役社長の井伊基之さんの「特別対談」があって、そこに書かれています。

また、ドコモの報道発表資料(2021年7月15日)によると、「イノベーションにより新たな生活価値やライフスタイルを生み出し、社会を大きく変えていこうという想い」から、ブランドスローガンを一新したそうです。イノベーションは一社のみでは生み出せないという考えのもと、『あらゆる「あなた」』との共創を打ち出しています。

コピーライターは、細田高広さん。

さて、当コンテンツの目的はキャッチコピーの事例を集めて、キャッチコピーの型や作り方を自分なりに考えることですが、今回と前回の事例から思ったことは、共創とか協調とか仲間にとか、そういう言葉に代表される視点からキャッチコピーを作る、という作り方(考え方)があるのではないか、ということです。近すぎない遠すぎない、ユーザーと程よい距離感のキャッチコピーをつくるのは難しいかもしれませんが、一般消費者向けのビジネスなら、この視点を検討してみるのも良さそうです。今後もこのタイプのキャッチコピーがあれば取り上げてみたいと思います。

初出:2023年07月13日