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キャッチコピーの事例

ルミネ(LUMINE)のキャッチコピー(企業スローガン)を考察

キャッチコピーCase No.3 韻を踏む

キャッチコピーの事例を取り上げる第3回目は、ルミネ(LUMINE)の企業スローガンです。

わたしらしくをあたらしく

「らしく」という語が繰り返されていて、始まりも「わた」「あた」という似た語感になっていて響きも良い感じです。「韻を踏む」パターンのキャッチコピーですね。

そして、このスローガンには企業姿勢が的確に表現されています。

ルミネのコーポレートサイトのトップメッセージ(2023年3月現在)には、ルミネが「ライフバリュー」の創造に取り組んできたことが記されています。ルミネが掲げる「ライフバリュー」とは、「ライフスタイルという言葉の、さらに先をゆく価値観のこと」だそうです。『お客さま自身もまだ出会えていない価値を、ルミネが発見し、丁寧に提案し、感動につなげる。それが「ライフバリュー」なのです。』と書かれています。

「わたしらしく」という言葉には、自身の価値観というニュアンスが含まれています。ルミネが「自身のまだ出会えていない価値」に触れられる場所だとすれば、それは自身の価値観をあたらしくしてくれる場所とも言えますから、まさに伝えたいメッセージが端的に的確に表現されている企業スローガンだと思います。

意味だけで言えば、「わたしらしさをあたらしく」や「わたしらしいをあたらしく」でもいいはずですが、「らしさ」や「らしい」ではなく「らしく」として、「あたらしく」と語尾を揃えることによって、より印象に残りやすくしたのではないでしょうか。

このルミネの企業スローガンを書いたコピーライターは尾形真理子さん。長年にわたり、ルミネの広告で女性の共感を得るキャッチコピーを書いてきた方ですね。

尾形真理子さんのキャッチコピーから女性向けのキャッチコピーの作り方のヒントを探ってみるのも面白そうです。ルミネのシーズン広告からキャッチコピーの型のようなものを見つけ出すのは難しそうな気がしますが、いずれここで取り上げて、あれこれと自分なりに考えてみたいと思います。

初出:2023年03月15日