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STEAM教育とは何か【簡単まとめ】

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書籍を参考にして、「STEAM教育」の要点をわかりやすく簡単にまとめました。

目次

STEAM教育の「STEAM」は何を指すのか

「STEAM」は、以下の5つの言葉の頭文字です。

「S」は、Science(科学)
「T」は、Technology(技術)
「E」は、Engineering(工学)
「A」は、Art/Arts(芸術/リベラルアーツ)
「M」は、Mathematics(数学)

一言で簡単にまとめれば、この5つを「横断的に」学ぶことを推進するのがSTEAM教育です。「横断的に」を強調しましたが、それぞれの分野を個別に学ぶのではなく、分野横断的に、統合的に学ぶというのがSTEAM教育のポイントです。

もともとは、「STEM教育」という概念からスタートしています。そこに「A」(Art/Arts)が加えられ、「STEAM教育」に拡張されました。

「STEM教育」の発祥の地はアメリカ

科学技術の強化を重視したアメリカは、STEM教育を国策として支援しました。その中でも、STEM教育をとくに強力に推進した指導者が、バラク・オバマ大統領です。年間で数十億ドルの予算が投入され、科学技術に優れた人材の育成が進められました。

多くの国が、「21世紀の戦略」として「STEM/STEAM教育」に取り組んでいます。

STEAM教育の提唱者と「A」の解釈

ジョーゼット・ヤックマン(Georgette Yakman)氏は、「リベラルアーツ」を「A」として、STEAM教育を提案しました。「STEAM」という言葉を生み出したのは、ヤックマン氏と考えられています。

ジョン・マエダ(John Maeda)氏は、「STEMからSTEAMへ」というスローガンを掲げてSTEAM教育を推進しました。マエダ氏は、アート&デザインを「A」として、その重要性を強調しました。

このように「A」に関しては、広く捉えるか狭く捉えるか、異なる解釈がなされています。

日本ではSTEAM教育をどう定義しているか

「教育再生実行会議 第十一次提言」の中で、STEAM教育は、「Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics等の各教科での学習を実社会での問題発見・解決にいかしていくための教科横断的な教育」と説明されています。

では、「Art」について、どのように捉えているかを見てみます。文部科学省のWebサイトには、つぎのように記されています。

文部科学省では、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)に加え、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲でAを定義し、各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な学習を推進しています。文部科学省のWebサイト(「STEAM教育等の各教科等横断的な学習の推進」)

日本では「A」を広く捉えています。

STEAM教育の教材と実例について

経済産業省の「未来の教室」が運営する「STEAMライブラリー」では、教材が公開されています。実践したい方の参考になるのではないでしょうか。

また、以下の2冊に実例が紹介されています。

STEAM教育を知るための書籍(参考文献)

STEAM教育とは何かを知るために、私が選んだのは以下の2冊です(この記事の参考文献です)。『知識ゼロからのSTEAM教育』は気楽に読める本、『よくわかるSTEAM教育の基礎と実例』は学びの本、という印象です。

『知識ゼロからのSTEAM教育』

  • 著者:中島さち子
  • 出版社:幻冬舎
  • 出版年:2022年11月

約140ページの本で気楽に読めます。イラストを交えたわかりやすい説明のため、短い時間でSTEAM教育とは何かを把握できます。さまざまな学校で実践されているプロジェクトなどが紹介されています。

著者の中島さち子氏について。
「ジャズピアニスト・数学研究者・STEAM教育家。株式会社steAm代表取締役。内閣府STEM Girls Ambassadorをはじめ、経済産業省や文部科学省の教育変革に関わる委員会等に多数所属。」(本書の著者紹介から抜粋して引用)

『よくわかるSTEAM教育の基礎と実例』

  • 編著者:藤岡達也
  • 出版社:講談社/講談社サイエンティフィク
  • 出版年:2022年12月

編著者の藤岡達也氏を含めて9人の執筆者がおり、それぞれの視点からSTEAM教育について論じられています。書名のとおり、基礎から実例まで多彩な知識に触れることができる一冊。横書きで書かれており、学びの本という印象です。約180ページ。

編著者の藤岡達也氏について。
「滋賀大学大学院教育学研究科 教授。専門は防災・減災教育, 科学教育, 環境教育・ESD等。」(本書の編著者紹介から抜粋して引用)

初出:2024年06月21日